最期の2週間 その2

最後の1日 11月3日
注射をしてもらうため病院に行き、そのまま秋ヶ瀬に散歩。
車の中も田圃道も、ずっと私が抱いていた。
こんなにサラを抱いていたことは赤ちゃんの時以来初めてかもしれない。
サラはマイペースで、抱っこされるのは好きだけど、気まぐれにプイっと降りたがるから。

サラが病気犬らしかったのはわずかにこの数日間だけ。
その間でさえ、点滴して3時間くらいするとちょっと元気になり、
毎日ちゃんと猫の監視をしに1階に下りて窓際から外を見つめたり、庭に出たがった。

いつものサラだった。

階段の上り下りをさせないように柵を閉めてもすり抜けていた。

秋ヶ瀬散歩はほんとに行けてよかったね。
サラがサラらしく草投げにこーふんする姿を見ることができたし、
疲れちゃって休んでていてもこんな風に穏やかな隠居生活ができるなら続いてほしいと願った。

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レイラが何よりうれしそうだった。
大好きなサラねーちゃんがそこにいて、
時々起きてワンワン吠えてるの聞いて、レイラのほうが大興奮してたもの。

午後は秋ヶ瀬散歩から帰ってから、ソファで私とパパの間にはさまり、
安心するように穏やかに眠っていて、
パパの誕生日祝いのケーキを見て嬉しそうに生クリームをなめた。
サラの誕生日ケーキも生クリームいっぱいにしたら食べてくれるかな? と考えた。
5日が誕生日だけど、もしも実現しなかったら嫌だったので、
前倒しで明日ケーキでお祝いしちゃおうか、なんてパパと話した。





しかし20時ころ、今までで一番激しい発作のような状態になり、
苦しそうにハァハァし、硬直する体、意識のなさそうな瞳、
吐きそうに体をよじる。とにかく体をさすった。

「大丈夫だよ」と言い続けながらパパと交代しつつ、ずっとずっとさすり続けた。
でも発作的に苦しがる間隔が短くなって、何度も続いた。ハビのときの痙攣と同じ??

意識はあるのかないのか、さすり続け、
和らいだときに吸飲みで水を飲ませると嬉しそうに瞳をうるませる。
微笑むような表情でこちらを見る。

23時30分、ビクビクっとしたけど自分でトイレにいってチッチした。
えらいねーと褒めたけど、トリーツの要求おすわりはしないで突っ立っていた。
無意識でトイレしたんだろうか。

昼間、田んぼ道を抱っこしながら歩いているとき、
サラの意識がほとんどないのを感じながら、サラの体に涙がボタボタ落ちた。
「サラちゃん、逝かないで」と何度もサラに言い続けて抱きしめていた。

だけどあまりに苦しそうな状態がたびたび続くので、パパがお風呂に入っている間に
「ママのために我慢しなくていいよ、サラはサラの生きたいように生きてね」と
泣きながら撫でながら声をかけた。

この瞬間、私はサラがもうダメだと感じたのだ。

本当は何度も何度もダメなのかな・・・とどこか受け入れる覚悟をしようとしてたのだけど、
私が諦めたらいけない、と必死で打ち消していただけなのだ。

パパがお風呂から上がるのを待ち、チェンジ。
「ママお風呂入ってくるね、いい子でねんこしてね」と声をかけて、サラの額にキスをした。
それが生きているサラの最後だった。

まさかそんなこととは思わず、今夜は眠れるかなーと思いながら
お風呂からあがった直後、パパが「早く来て!!」とせっぱつまった声で呼ぶ。
バスタオルを巻いただけで部屋に上がると「サラがウンちしたんだ」という。
クッションにゆるい便があり
「ウンウンでるか、と声かけたけど起きる気配がないから抱き上げて
トイレのところに連れてきたら『ウォーン』と絞り出す声を発して手足をピンと伸ばしたんだ」
と言う。

「サラ!!」 と見たら目を見開いて四足をピンと伸ばしたままのサラが横たわっていた。
顔に手をかけるとガクンと落ちた。
「サラ!!! なんでママを待たないで逝っちゃうのよーーー!!!」
絶叫して抱きしめた。
サラは私の見ていないところで逝ってしまった。23時50分。

そういえばハービーもパパのお膝で眠っているときにウンウンが出て、
片づけていたそのわずか瞬間に逝ったことを知った。
姑ちゃんも交代して一時帰宅した私のいないとき パパが一人で看取った。なんでだろ。
こんなに私が愛していた者たちは 私に最期を見せない。

まだ柔らかく温かいサラをずっと抱き続けて泣いた。
瞼をしめても閉まらないので、うっすらこちらを見ているような表情のサラを抱いたまま
パパと話をして、また泣いて、話をしては泣いていた。
不思議と朝の3時までサラの体は固くならず、ずっと可愛い寝顔のままだった。
ハビはすぐに固くなってしまったのにね。年齢の差なんだろうか。

レイラは私の絶叫がよほど怖かったらしく、クレートに引きこもり。
これはマズイと思い立ち、パパにサラの体を預けてレイラを呼び、抱っこする。
ごめんね、脅かして、とレイラの体をナデナデしてキスをした。
レイラはチューを返してくれたけれど、またクレートに引きこもった。

4時になって少し休むことにして、サラをタオルにくるんで一緒にベッドに寝た。
うとうとして目を覚まし、ふと横にサラの顔があるのに嬉しくなった。
でも冷たくなっていた。
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by herbiehancockjr | 2012-11-06 12:05 | 道すじ  

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